SSブログ

【まずは手で押してみよう】 レザークラフト活字の革刻印  [活字の刻印道具]

ヌメ革への刻印に活字(メタルスタンプ)を使う場合、
レザークラフト用の刻印棒とは異なり、ゴムハンマーや木槌による打刻は出来ません。

なぜに打刻が出来ないのかは前回の記事をご覧下さい。

活字が柔らかい金属であることの他に、
打刻が出来ないもう一つの理由があります。

活字を見れば一目瞭然ですが、
活字は刻印棒と異なり、非常に短いのです。

長さは全て2.3cmです。

まあ、ハンマーで打ち込めないというわけではありませんが、
この長さですと、指を打ってしまう可能性大です。

というか

窮屈に打ち込むことになりますので、
安定した打刻も望めません。

やはり、なにかしらの加圧機器が必要になってきます。

具体的には、

Cクランプ、ハンドプレス、万力(バイス)、エキセンプレス、活字ホルダー

などです。

上記のワードをネット検索すれば、
通販サイトなどで機器の画像や金額、使い方などがヒットしますので、
一通り調べてみて下さい。

これらは、全て革に活字をプレスするのに使える道具たちです。

とは言いましても、
初めて活字をお使いになる方にはイメージが湧かないかと思います。

そこで

初めて活字を手にされた場合は、
指で押してみて、実際に革に活字が食い込む感覚を実感してみても宜しいかと思います。

革に食い込む感覚がある程度理解出来れば、
何も知らずに機器を選ぶよりも、この機器は大丈夫そうだな
という判断力も働くかと思いますので。

さて、手押しをする場合は、6~8ptの小さな活字ですと、
折れてしまう可能性もございますし、

なによりも指が痛くてたまりません。

出来れば14pt以上、中型サイズ以上のサイズで、かつ、線の細い書体をお選び下さい。

濡らした布などで湿らせたヌメ革に、垂直にぎゅーーと押してください。

押すときは水平方向から覗き込み、
ベースの角が革に付かないように注意して下さい。

え、全然刻印出来ないですか。

革がオイル処理されていませんか。

革に水が染み込まない場合は、活字は使えませんので、
オイル処理や仕上げ処理されていない

ヌメ革やタンローなどをお使い下さい。

今度はうまく刻印出来たようですね。

そうなんです

結構な力が必要なんです。

指は白くなって凹んじゃいました。

ということで

手押しは実験程度にお試し下さい。

でも、

革に刻印が出来た瞬間はたまらないですよね。


次回は、お金をかけないで

手押し補助具を作ってみます。










【メタルスタンプの打刻は厳禁です!】 レザークラフト活字の革刻印 [活字の刻印道具]

ヌメ革への刻印に活字(メタルスタンプ)を使う場合、
レザークラフト用の刻印棒とは異なり、ゴムハンマーや木槌による打刻は出来ません。

もともとが、活版印刷用のスタンプである活字は、
鉛を中心とした柔らかい金属だからです。

なぜに柔らかいかというと、
とにかく小さく繊細な柄を再現しなければならないからです。

今でこそオフセット印刷など、
活字を用いない印刷方法ですが

かつての新聞印刷などは、活字を組んで紙面を作っていたのです。

紙面の虫眼鏡を使わなければ読めないような細かい文字も、
装飾ラインに使われていた細微な柄も、
全て活字で作り出されていました。

そんな細かい文字や柄を、線先のハネまで忠実に再現させるためには、
鋳型の細部まで溶かした金属を流し込む必要がありました。

鉛・アンチモン・錫という金属を調合した合金は、
柔らかいからこそ鋳型の先端まで流し込むことが出来たのです。

当然、インクを付けて紙にスタンプ出来れば良いだけの耐久性があれば
事が足りますので、鉛の活字は、そうした要請に答える形で造られたのです。

余談が長くなりましたが、

そんな柔らかい活字は、
革にギュっと押し込んで使うことなど想定されておりません。

革に食い込ませる加圧力は、紙にポンと押す圧よりも
大きな力を必要とします。

例えば活字単体を紙にスタンプするのであれば、
手押しでもいけますが、

革に刻印するとなると、手押しでは、うっすらとしか刻印出来ません。

革の弾力に跳ね返されてしまいます。

それでは、

レザークラフト用の刻印棒のように、
ゴムハンマーで打ち込んでみたらどうでしょうか。

そう

細身のアルファべットやモチーフなどは、
字面が一瞬で潰れてしまうのです。

潰れてしまわない場合でも、
角が丸まってしまったり、なにかしらのダメージが残ります。

そういったわけで

活字を刻印する場合は、
革にゆっくりと圧を加えていく

何かしらの道具が必要になってきます。

次回からは

お安く簡単に刻印出来る方法から

順を追って紹介していきたいと思います。






【活字中毒の末期的症状とは】 レザークラフト活字の革刻印  [活字中毒とは]

レザークラフトの刻印として、
活字(メタルスタンプ)を取り入れている方の中には、
目的を離れて、活字中毒的な熱狂的活版ファンになる場合が少なくありません。

毎日活字を扱う自分なぞは、
既に末期的な症状です。

例えば街を歩っているとき、
ふと看板に目をやってしまい・・・

しまった!と思うときには、
既に脳内で文字の活字化、立体化が始まります。

3Dプリンターのごとく、
彫りのある活字の姿で再現されます。

ぼんっ、と文字が看板から飛び出してくるのです。

確か、ドラえもんで、話した声が立体化する道具があったかと思いますが、
そんな感じです。([→]どんな感じだ!)

オシャレな店の、装飾フレームに囲まれた文字なぞは、
装飾フレームは活字として細分化されます。


・日常の全ての文字が活字として立体化する錯視症状


そんな感じです。


そういえば、この間、
コンビニで立ち読みをしていましたが、

後ろを通る人たちが怪訝な顔をしていたのを思い出しました。

そりゃそうですよね。

見ていたぺージが女子高生の制服特集ですから。

というか、見ていたところは、
制服ではなく、文中の

バーゲンセール!

という文字と装飾フレームでした。

バラの花を斬新にアレンジしたフレームと、
ポップ調の文字がきれいにマッチし、

活字として再現したいという思いに駆られていました。


そんな恍惚としたにやけた表情は、
周りから見たら

よだれを垂らして制服に見入っている中年変態おやじ

としか認識できないことでしょう。


女子向けのファッション誌などは、
最新の書体や装飾フレーム・モチーフの宝庫なのです。

外せません。


そんなこんなで

定期購読紙なども以前とはコペルニクス的変化



もはや重危篤症状。



活字中毒は依存性があります。



とにかく集めたくなってしまうのです。



そうなりますと

もはや道具であるという

第一義的意味合いは失われてしまいます。



ただの道具である鉛の活字に

なぜに人は魅了されるのでしょうか



・・・・・・




【活字幻視症候群とは】 レザークラフト活字の革刻印 [活字中毒とは]

レザークラフトへの刻印として、
活字(メタルスタンプ)の人気がうなぎ登りです。

革への刻印や粘土工芸へのスタンプなど、
実用以外に、コレクターと言われる熱狂的なファンが増えています。


活字に魅入られた者たちは、
美しい活字を目の当たりにしたとき、

活字緊縛症という金縛り現象に襲われます。

この症状は、活字ファンであれば、
一度は経験したことがある初期症状です。

活字中毒も

徐々に進行的症例に移行します。



こちらもお客様です。



その方いわく

『・・・・活字達3こをペロリとたいらげてしまいたくなりました。

美味しそうで、美しい。末期症状かなり出てます。』


その通り、進行しています。



自覚があるようですので、

まだ間に合うとは思いますが・・・・



こちらは



【活字幻視症状】



という症状です。



鉛で出来た活字が

あたかもおいしそうな食べ物に見えてしまう症状です。



特に女性の方には顕著で、

スイーツに見立てる傾向があるのも特徴的です。



なぜに

鉛という金属に食指が動くのか・・・



謎に包まれた症状の一つです。



活字を前にして

よだれが出たら赤信号です。

【活字緊縛症とは】 レザークラフト活字の革刻印 [活字中毒とは]

レザークラフトへの刻印として、
活字(メタルスタンプ)が大人気です。

革への刻印や粘土工芸へのスタンプだけでなく、
コレクターも増えています。

すなわち、活字に魅入られた者たちです。

本日は、活字ファンを超えた中毒症状として

【活字緊縛症】

を取り上げてみます。


一般の方でも分かり易い言い方に言い直すとすると

金縛り

がわかりやすいかと。


活字を前にして

動けなくなる症状全般を指します。


特に装飾系活字や装飾アルファベットは

繊細な彫りとデザインの秀逸さで、

宝石と見まがうまでの美しさです。


新品も良いですが、

ビンテージ活字を綺麗に特殊洗浄すれば、

鉛銀の鈍い光彩に魂が幽体離脱します。


ちなみに活字の洗浄テクニックは企業秘密です・・・

時間をかけて薬品や洗剤類を用いずに蓄積したインクや機械油の汚れのみを落とし、
輝きを取り戻した活字たちを目の当たりにしたとき



思考能力は停止し

時間の感覚もなくなります。



小さな活字の前に鎮座し

1時間ほど固まってしまうのもまれではありません。



頭の中が真っ白になったその状態は



ホセメンドーサとの死闘を終えた

矢吹丈のごとく



ただ







あるのみ。



釈迦の教え



悟りを開く意味をも考えてしまいます。





良い子の皆様は



私のようにならないように



ご注意下さい。





活字の前で



身体が凝固したら黄色サインです。





早く現世へ還ってきてください。


【活字中毒の初期症状】 レザークラフト活字の革刻印 [活字中毒とは]

レザークラフトへの刻印として、
活字(メタルスタンプ)の人気がうなぎ上りです。

私が引き起こしたブームですが・・・

人気に伴い、私から活字を買った人の中には、
活字に魅入られ、爆買いしてしまう方が少なくありません。


昨日、そして1昨日と
活字中毒ともいえる初期症状状態の方がいらっしゃいましたもので


活字中毒化の症例を段階を追って記述しておこうと思います。


おそらく

世界初の試みかもしれません。


これは

かつて自分も辿った道です。


それでは

めくるめく官能の世界に誘うと致しましょう。





活字中毒
 



一般には

印刷された紙面の活字に四六時中触れていないと禁断症状の出る方を総称して言います。



つまり世間一般で活字中毒という場合には




本の虫

であったり



【本・雑誌・新聞などを読むのが好きで、

何も読むものがないといらだつような状態になること。

また、そのような人をいう。】


辞典などでは

そのような定義付けがなされております。



ここで言うところの活字中毒は

それとは異なります。



媒体ごしの活字ではなく

本物の鉛の活字に魅入られた者

のことを指します。



昨日寄せられたお便りです。



『メタルスタンプ(活字)は眺めているだけでも楽しいのはなぜでしょうか?

俗に言う中毒症かもしれませんw』



明らかに初期症状ですね。



ただの鉛の塊である活字に美しさを感じてしまい

眺め入ってしまう。



レザークラフトの刻印棒などでは見られない

こうした症状が現れる方は

意外と多いのです。



この症状が進行しますと

いよいよ

活字緊縛地獄

という



中期的な症例に移行します。



詳しくは

後日



・・・・・・

【中古活字の状態】活字購入の注意点3 レザークラフト活字の革刻印 [活字の基礎知識]

レザークラフトへの刻印として、種類やサイズの豊富さから、
活字(メタルスタンプ)の人気が高まっています。

オークションでは、レザークラフトの道具のジャンルに複数の方が出品されております。

もともとは自分が発案し、出品を始めたものですが、
真似をして出品される方も増えてきました。

それとともに、知識が無い方の出品した活字を落札された方からの苦情も増えております。

具体的には、
・活字の彫りの深さの未表示や誤表示
・新品と偽ってのデッドストック品の出品
・ビンテージ品と偽っての新品の出品
・美品に見せかけた汚活字の出品
・買ってみたら傷だらけ

などなど、枚挙にいとまがございません。

先日は私も騙されました。

ほとんど未使用の美品ですとの表記を信じてしまい、
画像を良く見ないで落札してしまいました。

そういえば、
和活字なのに号数表示をしておらず、
初号なのに1.4mmと書いてあったのですよね。

そういえば、
最近急に出品を始めた人だったのですよね。

そういえば
送料が不当に高く設定してあったのですよね。

ヒントはいくつもあったのに、
質問をせずにそのまま入札してしまいました。

案の定、平仮名は半分以上が使い物にならないほど、
字面の損耗が激しいものでした。

そして、鉛製活字とスーパー活字とが混在していました。

材質の異なる活字を画像だけで判断することは困難なのに、

届いた後でその点を指摘すると、
画像で判断しろと書いただろ、との一点張り。

あげくの果てには、
今後神経質な方からの入札はお断りしますと書きます・・・ですって。

もはやクレーマー扱いです。


皆様も判断に迷った活字がございましたら、

ご連絡下さい。


微小ながらアドバイスさせて頂きますので。


それでは

【新品・中古の表示】活字購入の注意点2 レザークラフト活字の革刻印 [活字の基礎知識]

当方に質問がございましたものからの抜粋です。

18ptのWeddingTextフルセットがネットオークションで出品されていました。

【新品】の表示で、画像では一見きれいに見えます。

ところが、よくよく見てみると
明らかにベースが黒ずんだ活字が混じっているのが分かりました。

素人の方が気づくくらいですので、
はっきりと申しまして新品ではございません。

一部が使用された中古品です。

新品表示をすれば、高く落札されますので確信犯だと思いますが、
案外知らないだけなのかもしれません。

活字は軟質のとても繊細な金属です。

当然未使用品でも耐用年数に差が出ます。

デッドストックものは保管汚れもつきます。

革に対しては使用前に洗浄の必要があったりもします。

【新品】は過去1年以内に製造されたものです。その点だけでも確信犯の疑いが・・・・

ネットオークションは何でもありの世界ですので

購入の際は画像をよく確認し、

細心の注意を払って頂くことをお勧めします。


また、【美品】という表示にも騙されないで下さい。

活字で美品というのは、見た目の綺麗さとともに
状態の綺麗さも必要です。

見た目だけが美品の活字も
デッドストックものは
汚れやダニががびっちりと付着していたりします。

当方が【美品】と表示した場合は
しっかりと洗浄工程を通したお品ですのでご安心を

他で【美品】を見かけた場合は
①デッドストックものであるかどうか
②洗浄をしているかどうか

ご質問頂くことをお勧め致します。




レザークラフト活字の革刻印【堆積汚れの確認】活字購入の注意点  [活字の基礎知識]

レザークラフトで革に刻印する道具として、
活字(メタルスタンプ)が注目されています。

最近では、毎日のように活字汚れに関する嘆きの声が届きます。

沈黙を守ってきましたが、
さすがに無視出来る範囲を超えてきましたもので

以下
活字購入の基礎知識として書いてみます。

今回対象としますものは

外国活字

アルファベットの活字です。

活字は活版印刷で使われていたものです。

既に活版印刷は時代の役割を終え、
外国では使用済み活字が一山いくらといった感じで売られています。

印刷インクと機械油にまみれた活字は
そのままの状態では

【鉛のゴミ】です。

最近では、活字の知識を持たないセラーも増えたためか、
ゴミをゴミのまま販売されているのをよく目にします。

活字も悪かろう安かろうの世界です。
安く買えるような中古の活字は汚れているものだとご認識下さい。

軟質金属である活字は、一般の方では洗浄することは出来ませんので、
買ってしまったらおしまいです。

当然、手にしただけで汚れが手に付き
なかなか取れるものではございません。

のんびり珈琲でも飲みながら刻印を、
という状態ではなくなってしまいます。


特に女性の方はご注意を!


当方の活字は大量セットを除き、
基本的に特殊洗浄を施してあります。


時間と手間をかけて
インクや汚れ抜きを行います。


たとえ一見画像が綺麗に見えたとしても
びっしりと汚れは付着している場合もあります。

綺麗に見えるように画像処理されている活字も見かけました。

これはいい書体だ!

と思った品が見つかりましたら

①汚れ具合

②清掃・洗浄状況

③革へインクや汚れ移りがあった場合の補償・返品

を先に質問して頂きますのが賢い方法です。

特に③に返答を渋るような販売者にはご注意下さい。

滅活字(廃棄レベル)の可能性が高いですので。


刻印の練習用などには
汚れた活字でも問題ないと思いますし
予算の関係もあるかと思います。

しかし、汚れた活字を購入してしまい扱いに苦慮し
当方で買いなおす方もおりますため

この記事とさせて頂きました。



ご参考下さい。


レザークラフト活字の革刻印【鋳造職人】基礎知識  [活字の基礎知識]

レザークラフトで革に刻印する道具として、
活字(メタルスタンプ)が注目されています。

その活字に命を吹き込むのが

鋳込職人

彼らがいるからこそ
活字は生み出される。

コンピューター化した印刷業界の中で、
活版印刷は商業的に成り立たなくなったため、
活字屋は次々と店を畳み

当然、鋳込職人も
数えるくらいの人数しかいなくなりました。

現在活字を求める方は、
デザイナーが多いようですが

活字屋さんに言わせれば、
何も分かっていない迷惑なお客さんで、

中途半端な知識で、さも自分は活字に詳しいような話をしてくるため、
もう店を閉めました、と断っているそうです。

デザイナーの中には、アダナの印刷機を買って、
名刺やカードの販売をしている人もいるそうですが

アダナの手動式印刷機なぞは、
おもちゃに他なりません。

まともな圧などかけられません。

活版印刷屋の綺麗な圧が入った名刺に比べれば、
コピーした名刺と同じです。

そんな話を活字屋さんにお聞きしました。


さて


良質な活字は
職人の質で決まるといっても
過言ではありません。

腕の良い職人は
ずっしりとした重さとエッジの滑らかさ

正に小さな芸術品とも呼べるような
美しい活字を鋳込みます。

外国活字は概して
気泡が入った品質の悪いものが多いです。

翻って、日本で鋳込まれた活字は
世界でもダントツの精密さと密度を誇っています。

アメリカなどの外国の活字と比較すれば
一目瞭然です。

特にアバウトなアメリカ人が鋳込んだ活字とは
比較になりません。

アメリカの方が読まれていたらすいません、
実際に多数の活字を手に触れての感想なもので。
平均するとということです。

日本の活字と外国のそれを手に平に乗せてみれば
一目瞭然です。

日本の活字はずっしりと重いですので。

そんな

芸術的な和製活字も
今や絶滅危惧種

なんとか後世に残したい

そんな思いで

日々頑張っています。



この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。