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【中古活字の状態】活字購入の注意点3 レザークラフト活字の革刻印 [活字の基礎知識]

レザークラフトへの刻印として、種類やサイズの豊富さから、
活字(メタルスタンプ)の人気が高まっています。

オークションでは、レザークラフトの道具のジャンルに複数の方が出品されております。

もともとは自分が発案し、出品を始めたものですが、
真似をして出品される方も増えてきました。

それとともに、知識が無い方の出品した活字を落札された方からの苦情も増えております。

具体的には、
・活字の彫りの深さの未表示や誤表示
・新品と偽ってのデッドストック品の出品
・ビンテージ品と偽っての新品の出品
・美品に見せかけた汚活字の出品
・買ってみたら傷だらけ

などなど、枚挙にいとまがございません。

先日は私も騙されました。

ほとんど未使用の美品ですとの表記を信じてしまい、
画像を良く見ないで落札してしまいました。

そういえば、
和活字なのに号数表示をしておらず、
初号なのに1.4mmと書いてあったのですよね。

そういえば、
最近急に出品を始めた人だったのですよね。

そういえば
送料が不当に高く設定してあったのですよね。

ヒントはいくつもあったのに、
質問をせずにそのまま入札してしまいました。

案の定、平仮名は半分以上が使い物にならないほど、
字面の損耗が激しいものでした。

そして、鉛製活字とスーパー活字とが混在していました。

材質の異なる活字を画像だけで判断することは困難なのに、

届いた後でその点を指摘すると、
画像で判断しろと書いただろ、との一点張り。

あげくの果てには、
今後神経質な方からの入札はお断りしますと書きます・・・ですって。

もはやクレーマー扱いです。


皆様も判断に迷った活字がございましたら、

ご連絡下さい。


微小ながらアドバイスさせて頂きますので。


それでは

【新品・中古の表示】活字購入の注意点2 レザークラフト活字の革刻印 [活字の基礎知識]

当方に質問がございましたものからの抜粋です。

18ptのWeddingTextフルセットがネットオークションで出品されていました。

【新品】の表示で、画像では一見きれいに見えます。

ところが、よくよく見てみると
明らかにベースが黒ずんだ活字が混じっているのが分かりました。

素人の方が気づくくらいですので、
はっきりと申しまして新品ではございません。

一部が使用された中古品です。

新品表示をすれば、高く落札されますので確信犯だと思いますが、
案外知らないだけなのかもしれません。

活字は軟質のとても繊細な金属です。

当然未使用品でも耐用年数に差が出ます。

デッドストックものは保管汚れもつきます。

革に対しては使用前に洗浄の必要があったりもします。

【新品】は過去1年以内に製造されたものです。その点だけでも確信犯の疑いが・・・・

ネットオークションは何でもありの世界ですので

購入の際は画像をよく確認し、

細心の注意を払って頂くことをお勧めします。


また、【美品】という表示にも騙されないで下さい。

活字で美品というのは、見た目の綺麗さとともに
状態の綺麗さも必要です。

見た目だけが美品の活字も
デッドストックものは
汚れやダニががびっちりと付着していたりします。

当方が【美品】と表示した場合は
しっかりと洗浄工程を通したお品ですのでご安心を

他で【美品】を見かけた場合は
①デッドストックものであるかどうか
②洗浄をしているかどうか

ご質問頂くことをお勧め致します。




レザークラフト活字の革刻印【堆積汚れの確認】活字購入の注意点  [活字の基礎知識]

レザークラフトで革に刻印する道具として、
活字(メタルスタンプ)が注目されています。

最近では、毎日のように活字汚れに関する嘆きの声が届きます。

沈黙を守ってきましたが、
さすがに無視出来る範囲を超えてきましたもので

以下
活字購入の基礎知識として書いてみます。

今回対象としますものは

外国活字

アルファベットの活字です。

活字は活版印刷で使われていたものです。

既に活版印刷は時代の役割を終え、
外国では使用済み活字が一山いくらといった感じで売られています。

印刷インクと機械油にまみれた活字は
そのままの状態では

【鉛のゴミ】です。

最近では、活字の知識を持たないセラーも増えたためか、
ゴミをゴミのまま販売されているのをよく目にします。

活字も悪かろう安かろうの世界です。
安く買えるような中古の活字は汚れているものだとご認識下さい。

軟質金属である活字は、一般の方では洗浄することは出来ませんので、
買ってしまったらおしまいです。

当然、手にしただけで汚れが手に付き
なかなか取れるものではございません。

のんびり珈琲でも飲みながら刻印を、
という状態ではなくなってしまいます。


特に女性の方はご注意を!


当方の活字は大量セットを除き、
基本的に特殊洗浄を施してあります。


時間と手間をかけて
インクや汚れ抜きを行います。


たとえ一見画像が綺麗に見えたとしても
びっしりと汚れは付着している場合もあります。

綺麗に見えるように画像処理されている活字も見かけました。

これはいい書体だ!

と思った品が見つかりましたら

①汚れ具合

②清掃・洗浄状況

③革へインクや汚れ移りがあった場合の補償・返品

を先に質問して頂きますのが賢い方法です。

特に③に返答を渋るような販売者にはご注意下さい。

滅活字(廃棄レベル)の可能性が高いですので。


刻印の練習用などには
汚れた活字でも問題ないと思いますし
予算の関係もあるかと思います。

しかし、汚れた活字を購入してしまい扱いに苦慮し
当方で買いなおす方もおりますため

この記事とさせて頂きました。



ご参考下さい。


レザークラフト活字の革刻印【鋳造職人】基礎知識  [活字の基礎知識]

レザークラフトで革に刻印する道具として、
活字(メタルスタンプ)が注目されています。

その活字に命を吹き込むのが

鋳込職人

彼らがいるからこそ
活字は生み出される。

コンピューター化した印刷業界の中で、
活版印刷は商業的に成り立たなくなったため、
活字屋は次々と店を畳み

当然、鋳込職人も
数えるくらいの人数しかいなくなりました。

現在活字を求める方は、
デザイナーが多いようですが

活字屋さんに言わせれば、
何も分かっていない迷惑なお客さんで、

中途半端な知識で、さも自分は活字に詳しいような話をしてくるため、
もう店を閉めました、と断っているそうです。

デザイナーの中には、アダナの印刷機を買って、
名刺やカードの販売をしている人もいるそうですが

アダナの手動式印刷機なぞは、
おもちゃに他なりません。

まともな圧などかけられません。

活版印刷屋の綺麗な圧が入った名刺に比べれば、
コピーした名刺と同じです。

そんな話を活字屋さんにお聞きしました。


さて


良質な活字は
職人の質で決まるといっても
過言ではありません。

腕の良い職人は
ずっしりとした重さとエッジの滑らかさ

正に小さな芸術品とも呼べるような
美しい活字を鋳込みます。

外国活字は概して
気泡が入った品質の悪いものが多いです。

翻って、日本で鋳込まれた活字は
世界でもダントツの精密さと密度を誇っています。

アメリカなどの外国の活字と比較すれば
一目瞭然です。

特にアバウトなアメリカ人が鋳込んだ活字とは
比較になりません。

アメリカの方が読まれていたらすいません、
実際に多数の活字を手に触れての感想なもので。
平均するとということです。

日本の活字と外国のそれを手に平に乗せてみれば
一目瞭然です。

日本の活字はずっしりと重いですので。

そんな

芸術的な和製活字も
今や絶滅危惧種

なんとか後世に残したい

そんな思いで

日々頑張っています。



レザークラフト活字の革刻印【彫りの深さ】基礎知識3  [活字の基礎知識]

レザークラフトで革に刻印する道具として、
活字(メタルスタンプ)が注目されています。

しかし、 活字(メタルスタンプ)に関する情報は、
ネット検索してもなかなかヒットしないのが現状です。

活字がどういったものなのか、概略を押さえておきたい場合は、
ウィキペディアの活字関する情報をご覧下さい。

wiki 活字

と検索して頂きますとヒットします。

さて、前回までは、活字のサイズについて説明しました。

活字を購入する際に、サイズと共に押さえておかなければならないのが、
彫りの深さ
です。

文字の彫りの深さとは、活字のベース面から字面のトップまでの長さのことです。

元々活字は活版印刷で用いられるものです。

レザークラフトへの刻印に使うという発想は自分が考えついたことで、
紙にインクを押すスタンプを、無理やり革に食い込ませようとする力技です。

活版専用ということは、レザー専科の刻印棒のように
彫りが深くないということです。

紙に印刷するものなので当然ですが。

こんなことがありました。

18ptのParkAvenueを他で購入された方がいらっしゃいました。



その方が購入したものは
彫りの深さが1mmにも満たない浅いタイプでした。

18ptで1mm以下では
紙にしか使えません。

革では活字の角が付くからです。

もっとも
活字の角を落とせば良いことですので
使えないということはありませんね。

言いすぎでした。

私の言いたいのは
その売主が活字の彫りの深さを記載していないことです。

文字系では、必ず明記が必要なその文言がありません。

返品できるのではとかんがえましたが

【画像でご確認下さい】

と書いてありました。

何かひどいな
と思いました。

私のようなプロであれば一発で見抜きますが、
一般の方ではなかなか彫りの深さまでは分かりません。

悪く勘ぐれば
間違って彫り浅のものを仕入れてしまい
そっと売り切ってしまおうというのも考えられなくありません。

あれだけ出品していて
知識が無いでは済まされない問題ですので。

自分で自分の身を守らなければならない時代です。

皆様も
活字購入の際は

彫りの深さを

必ずご確認下さい。


購入する際は亊前に質問して頂ければ宜しいかと思います。






レザークラフト活字の革刻印【活字のサイズ】基礎知識2  [活字の基礎知識]

レザークラフトで革に刻印する道具として、
活字(メタルスタンプ)が使えることを発見してから数年。

だいぶ世間にも定着させることが出来ましたが、
日本全体でいえばまだまだ認知度は低いかと思います。

もともとは活版印刷で使う鉛のスタンプですので、
レザークラフトで革への刻印として使うには、少しばかりの予備知識と
ちょっとしたコツが必要となります。

ということで、今回は肝となる活字のサイズについてお話しさせて頂きます。



活字を買う場合、

最重要

な確認事項がございます。

まずは
活字サイズ
すなわち字面の大きさです。

特に初めて購入される方は
定規などで、実際に字面の大きさをイメージして頂いてから
お買いになって下さい。

そして次に
外すことの出来ないチェック項目がございます。

それが、
文字自体の大きさ 
です。

活字の販売は
○○ptといったポイント表示が多いです。

○○mmといったミリ表示がしてあったとしても、
一般的に、それは文字自体のサイズではなく、
字面サイズであるとお考え下さい。

pt表示だけ見て買った場合、
いざ作品への文字入れの段になってから、

あれっ、字が小さ!?

思い当たる方
いらっしゃいませんか?

当方では、文字系の場合、
字面の大きさと文字自体の大きさを併記するようにしております。

各文字や大文字・小文字によって大きさは異なり、
全て記載することは出来ないため、
【A】など代表的なものの字面サイズと文字自体のサイズを併記しております。

お知りになりたい文字種がありました場合には
お気軽にご質問下さい。

また、
たとえば組む単語や文字列が買う前に決まっている方は、
文字列を組んだ全体の横幅なども、
先にご質問頂いたほうが宜しいかとも思います。

ちなみに、
活版印刷で活字の大きさと言った場合には、
字面の文字縦幅のことを言います。

また
高さという場合は、
活字の底面から字面の先までのことです。

高さは、活字全て共通で
約23.2mmになります。

刻印棒などと比べると、
思い切り短いですね。

活字の組成が軟質というばかりではなく、
この短さも、
ハンマーでの打刻よりもプレス式で刻印する理由となっています。

確か

もっと何か大事なことを忘れているような・・・・

とりあえず
本日は閉店とさせて頂きます。

ご覧頂きまして
ありがとうございました。

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